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南加県人会創立100周年記念式典
  南加愛媛県人会の創立100周年を祝う式典は2010年8月1日、本県からの慶祝団を交えてロサンゼルスで盛大に挙行されました。慶祝団は、団長の加戸守行知事、副団長の井上善一海外協会長らをはじめ八幡浜・今治の高校生らも加わり総勢94人の大デレゲーションとなりました。
  ロスでは式典をはさみ県人企業であるマルカイコーポレーションとヤマサかまぼこを視察しました。参加者はチャレンジ精神あふれる経営ぶりに驚嘆するばかり。実に、実り多い訪問となりました。
  また、公的訪問団と民間訪問団の一行はサンフランシスコへも足を伸ばし、周辺に在住する県人との交流を深めました。さらに、最後の訪問地はポイント・アリーナ。ここには八幡浜の打瀬船が漂着し、その記念碑が建立されて、一行は記念植樹をするなどして現地の人々と交歓しました。
【ロサンゼルスで】
 
加戸知事が県人会の3人を特別功労表彰 あいさつする副団長の井上海外協会長
本県から高校生も参加、なごやかな歌声 会場に彩を添えた県人会員の日本舞踊
団員らに語るマルカイの松秀二郎社長 川名・ヤマサ会長の案内で工場見学
【サンフランシスコで】
シスコ周辺の県人28人が集まり交流 てやてや踊りを披露する八幡浜の団員
【ポイント・アリーナで】
「北針記念碑」の前で訪問あいさつ 記念の植樹をして末永い交流を約束
八幡浜・北針シンポが成功裏に幕 夏のロス訪問事業へ弾み
 海外協会が地元の市民団体「地域文化振興協議会 北針」とともに2010年5月22日、八幡浜市内で開催した「北針シンポジウム 異文化を越えて」は内容の濃いものとなり、成功裏に幕を閉じました。 詳しくは海外報ニュースのページをご覧ください。
八幡浜商工会館ホールを埋めた参加者 メモを取りながら熱心に聴き入る会場
P(1)=八幡浜商工会館ホールを埋めた参加者 P(2)=メモを取りながら熱心に聴き入る会場
記念講演で語りかける村川庸子敬愛大教授 絵馬を制作した八幡浜高校美術クラブも登壇
P(3)=記念講演で語りかける村川庸子敬愛大教授 P(4)=絵馬を制作した八幡浜高校美術クラブも登壇
~地区会2011~

  【演題】「先人の偉業から学ぶこと」
  【講師紹介】八幡浜市生まれ。44歳。岡山商科大学卒。大城製材代表取締役、八幡浜市議会議員(2期)、同市議会副議長などを経て2009年から現職。昨8月の南加県人会の100周年記念では訪問団に加わりロスやシスコの移住者らと交流を深めた。
  【開催要領】正午開会。昼食会の後、卓話に移ります。フロンティア精神を発揮し海外に雄飛した先人たちへの熱い思いを語ります。
  【会場】八幡浜市船場通り 浜味館あたご

  【演題】「無限大の可能性を追い求める~宇和島に魅せられて~」
  【講師紹介】愛媛銀行に入社、渉外行員として企業など担当。従業員組合の執行委員長も務める。平成20年NPO法人ループ88四国を設立。地域密着型ビジネス起業のため21年退社。22年、バーチャルお遍路万歩計「歩く遍路」発売。23年1月、マルシエなんよ設立。
  【開催要領】正午開会。昼食会の後、卓話に移ります。地域再生への処方箋を語りかけます。
  【会場】宇和島自動車会館。

  【演題】「親米日本の構築―アメリカの対日情報・教育政策と占領政策」
  【講師紹介】愛媛大学法文学部教授。神戸市出身。専門はアメリカ研究、国際関係論、ジェンダー史。1993年、米国メリーランド大学より修士号を取得。広島大学助手を経て、2004年、米国ミネソタ大学より博士号。
  【開催要領】正午開会。昼食会の後、卓話に移ります。日本の戦後出発点を見つめ日本の針路を考えます。
  【会場】西条市神拝甲478―1 西条JA会館はなゆい 小会議室

  【演題】 「39年目の真実を語る」
  4歳で中国に一人残された日本人が、動乱の大陸でいかに生き抜いたか……。感動を誘ったNHKドラマ「遥かなる絆」の主人公、城戸幹氏による勇気と愛の物語。関連イベントとして、今治明徳短大留学生3人による日本語スピーチ大会も併催する。
 【講師紹介】愛媛出身者の両親の子として旧満州で生まれ、4歳のとき残留孤児となる。文化大革命の最中に帰国。次女が著した「あの戦争から遠く離れて」が講談社ノンフィクション賞。自著に「『孫玉福』39年目の真実」(情報センター出版局)がある。
  【開催要領】10月29日(土) 午後1時30分~午後2時 留学生日本語スピーチ大会、午後2時から講演会
 【場所】今治明徳短期大学視聴覚教室(14番教室) 定員約120名

 ■お問い合わせは協会事務局=電話 089(989)7144。または、こちらのフォームから。
"海の向こうの郷土史"を あなたの本棚に
在伯県人会編「ブラジル愛媛県人100年の歩み」

ブラジル愛媛県人100年の歩み(1908-2008) 在伯愛媛県人会(藤原利貞会長)が昨年の日本人移民100周年を記念して出版した「ブラジル愛媛県人100年の歩み」(295頁)は長らく品切れ状態が続いていましたが、愛媛県海外協会では再び注文を受け付けています。これまで同様に希望者には1500円(送料別)で頒布いたしております。
  この記念誌は、県人会で組織する編集員会が、県国際交流協会や愛媛新聞の支援を受けて広いブラジルの国土を駆けずり回って完成させた労作。移民した同胞県人の望郷の思いや家族愛、泣き笑い人生などが、それぞれの息づかいとともに伝わってきます。
  戦前戦後を通じてブラジルに移住した県人はざっと5000人。"海の向こうの、もう一つの郷土史"と言える書籍です。手に取れば、あなたの身近な人が登場しています。
  お問い合わせは協会事務局=電話 089(989)7144。または、こちらのフォームから。
新たな1世紀へ

新たな1世紀へ

「母県とのつながりをいつまでも」。研修員・研修生OBらに熱く訴えか ける 藤原利貞在伯愛媛県人会会長(中央右)=訪問団との交流会で、2008年11月・サンパウロ
羽藤ジョージ氏聖州議員に当選 「日本施設奪還に力」
  今治市出身の祖父を持つサンパウロ市議、羽藤ジョージ氏(52)が、昨年秋行われたブラジル全国統一選挙でサンパウロ州の議会選挙に立候補、27人の日系候補のなかで見事トップ当選を果たした。聖州議会の日系議員は現職の西本エリオ氏(広島県系2世)とあわせ2人になった。
  ジョージ氏は外科医から政界に進み市議7期目。サンパウロの病根ともいえる治安の改善や、戦時中に没収された日本施設の奪還運動などに力を注いできた。
  特に治安問題は、医師としての職業的使命から力を注ぎ、バーの深夜営業時間を制限し、ガソリンスタンドでの酒類の販売を禁止する条例などを提案し、安心社会の実現に努めた。
  日本施設の奪還運動にも早くから取り組み、これまでの活動でサンパウロ市内の病院や学校などはすべて取り戻すことができた。しかし、広い州内には未解決な施設が散在しているため、今後は西本議員と連携し活動を強めたい、としている。
  ジョージ氏の市議の任期は今年3月15日まで。残り任期を全うした後、州議としての活動を開始する。在伯愛媛県人会は昨年暮れ、ジョージ氏を囲み祝賀会を開催した=写真、前列右から2人目がジョージ氏=。ジョージ氏の実兄マリオ氏は元連邦下院議員。(2011.Feb.1)
▲松岡会長、知事らを 訪ね感謝の意伝える
加戸知事にお礼伝える松岡会長
(右から2人目)。左端は菊池さん
  ▲南加県人会の松岡八十次会長(今治市出身)が、夏の県人会創立百周年で母県から大型の慶祝訪問団を派遣してくれたことに対するお礼のため10月20日に帰県。団長として訪米団を率いた加戸守行知事や、副団長役を担った西原進平県議会議長らを表敬訪問した。
知事室を訪れた松岡会長は「94人もの愛媛の訪問団は県人会の歴史を塗りかえるもので、他の県人会を驚かせた。まことに誇らしく、ありがたかった」と感謝の気持ちを伝えた。
加戸知事は歴史的な事業を切り盛りした松岡会長をたたえ「本当にすばらしい記念式典でした」などと労をねぎらった。
この席には、サンフランシスコでの県人交流や、ポイントアリーナへの訪問を手配した菊池ヘンリーさん(八幡浜市出身)も同席。母県と在外県人とのつながりや、南加県人会とサンフランシスコ周辺(北加)にいる県人との相互交流の大切さなどについて意見交換した。
(2010.11.15)
▲南米2県人会を視察 県職員、今月末から
南米へ出向く八十島課長
補佐(右)と矢野主任
  ▲県国際交流課の八十島一幸課長補佐と矢野良太郎主任が、24日から12月2日にかけて、南米の県人会2団体を駆け足で巡り視察・交流する。
  県は、在外県人会の支援策として、留学生・研修員の県費による招聘や、周年事業に対する協力などを行っているが、今回のように担当職員が独自な形で県人会に出向くのは近年にはなかったこと。
  八十島課長補佐らは24日、成田を出発。翌25日から3日間、サンパウロに滞在。続いて28日からブエノスアイレスを訪問。両県人会の幹部らと懇談するほか、県人企業の訪問や、県費留学生や研修員OBらにも直接会って聞き取りを実施、今後の交流・支援の在り方の基本資料としたい考え。
  近年、在外県人会は世代の交代で組織の運営が厳しくなっており、八十島課長補佐らの訪問を歓迎している。
(2010.11.15)


▲日本祭りで瀬戸の風味「ヒジキご飯」を提供
人気を集めた県人会の出店
  ▲日本祭りで瀬戸の風味「ヒジキご飯」を提供 ブラジルの各県人会が郷土食を披露しあう「日本祭り」が2010年7月16日から18日にかけてサンパウロ市内で開催された。愛媛県人会は、ヤキトリやタルトとともに、今年初めて「ヒジキご飯」を提供した。
  材料のヒジキは、藤原利貞県人会長の友人で、松山島博覧会を展開している中島の田中政利さんが安居島産の天然ものをどっさり届けてくれた。
  瀬戸内の風味を伝えるヒジキご飯は、会場の人気をさらい、連日品切れになったという。

▲警察が銃撃戦、流れ弾で教室の児童が死亡
▲警察が銃撃戦、流れ弾で教室の児童が死亡 リオ市北部で7月17日、連邦警察部隊と麻薬密売グループが銃撃戦を展開。近くには公立学校があり、学校の窓ガラスがあたりに散乱。児童らは一時避難した。銃撃戦は一時収まり、児童らが教室戻ったところ、再び銃撃戦が起こり、11歳の児童が流れ弾に当たり 死亡した。無謀な警察のやり方に住民らが反発。同日午後には父母ら50人が大通りを封鎖し、タイヤや木切れを燃やすなどして激しく抗議した。 (2010年7月20日、ニッケイ新聞)
◆上島町の堀本さん、サンパウロ州で日本語指導へ
 平成22年度の日系社会青年ボランティアとして上島町の堀本梓織さん(25) =写真、左から2人目=がブラジルに出向くことになり、青年海外協力隊の3人とともにこのほど県庁内で出発式に臨んだ。
 堀本さんは、ニュージーランドでボランティアをした経験を生かし向こう2年間、サンパウロ州の日本語学校で教壇に立つ。加戸知事の激励を受けた堀本さんは「日系社会のためお役に立ちたい」と決意を述べた。このほか、出発式に臨んだ青年海外協力隊員は、新居浜市の佐藤明子さん(マラウイで野菜栽培の指導)、四国中央市の井川太士さん(エチオピアで体育授業の指導)、四国中央市の森實慧さん(ザンビアで理数科授業の指導) の3人。

ブラジル情報ファイル
政権交代は経済政策を左右せず
  小欄では折にふれ、ブラジルで刊行される月刊経済誌「実業のブラジル」から記事を紹介してきた。昨年1年間を振り返れば「ぜひ紹介しておきたい」と思いつつも、紙幅の都合で見送らざるをえなかったものもある。
  その一つが、2009年8月号の巻頭の論考「15年目を迎えたレアルプラン」。ブラジル経済の好循環の要因が、政治的側面から解説されている。ドラスチックな政権交代があったにもかかわらず、マクロ経済政策の分野で継続性が担保されてきた点を挙げ、このことがブラジル経済の成功要因と指摘している。
  80年代のブラジルは、膨大な対外債務を抱え、年率100%を越す異常なインフレの混乱期にあった。これを再生したのが1994年にカルドーゾ政権によって導入されたレアルプラン。仮想通貨URVを導入することで著しくゆがんだ相対価格を調整し、ドルと連動した新通貨レアルを導入。その一方で、無秩序な財政出動と紙幣の過剰な発行を抑制した。
  レアルプランは着実に進められ、その後ロシア通貨危機などに見舞われながらも、今日に至っては「ブラジル経済は世界のけん引役」と期待されるまでになった。レアルプランが歴史的にも稀有な経済政策の成功例とされるのはこのためだ。
  この点、同誌は2003年に政権交代によって登場した左派ルーラ政権に対しては辛口の評価をくだしている。「ルーラの所属する労働者党(PT)は野党時代には、レアルプランには常に批判的であった。しかし、IMFとの軋轢を恐れ路線を変え政策を継承した。結果として今やインフレは落ち着き、経済は安定している。ルーラ政権がレアルプランを成功させたと言われているのは大いなる皮肉である」と。
  そして、こうも付言する。ルーラ政権の成功の要因の一つは、自前の経済スタッフを持たず前政権の政策とスタッフをそのまま継承したこと。そして、もう一つは、政権発足時に中国に向けた一次産品の大豆と鉄鉱石の輸出が急増し貿易収支が大幅に黒字になったことにある、と。
  今年は大統領選挙の年である。再び政権交代が起きるかどうかは分からないが、(レアルプランの継続は国家的大命題であり)経済政策の選 択は選挙には影響しないと考えられる、と結んでいる。
五輪開催はバルセロナを範とせよ
  「2016年のオリンピック開催地はリオに決定」。超ビッグニュースがブラジルを駆け抜けた。邦字による月刊経済誌「実業のブラジル10月号」)は、この問題を巻頭で取り上げ、意義や課題などを論じている。
  「リオは、南米初のオリンピック招致で49年前にブラジリアに奪われた首都としての威厳を取り戻した」。記事はリオ市民の歓喜をストレートに代弁する。
  オリンピックの経済効果は数百億ドル、直接投資は150億ドル規模。スポーツ省は、今後18年間に200万人の雇用が創出されると試算する。莫大な投資は都市の姿をドラスティックに変える。「リオは歴史的な飛躍の舞台に立った」と位置づける。
  しかし、観光都市として人々を魅了するリオはさまざまな病巣を持つ。犯罪や暴力、スラム、交通渋滞、環境汚染などの都市問題である。このため「リオは過去数十年にわたる旧弊な政治家の失敗と怠慢を打破しなければならない」と最大のゲキを飛ばしている。
  オリンピックを都市の大改造に結びつけたスペイン・バルセロナを引き合いに出し「そもそもオリンピックは人類による問題克服の殿堂なのだ」と希望を託す。
  1992年の開催都市・バルセロナは80年代末まで衰退の一途をたどっていた。都市崩壊の危機にもあった。しかし、オリンピック開催を契機にヨーロッパの主要観光地としてよみがえっている。
  「ポスト工業時代には都市は国よりも重要になりうる。バルセロナはそのことを示している」― リオ市の元幹部が発した言葉も引用し「バルセロナの成功例に続け」と大号令をかけている。
  記事では、また、誘致の成功は戦略的勝利だった分析する。国際オリンピック委員会(IOC)で長年マーケッティングを担当した人物や、米国のスーパーボールを成功させた立役者など、名うてのコンサルタントを配し、必勝の布陣をめぐらしたというからサッカー王国の面目躍如と言うべきか。弾む言葉でつづられた記事は、ブラジル国民の高揚感を反映している。
  混沌が織り成す情熱都市・リオ。「人類の夢」をかけた都市実験が始まろうとしている。
高野山米国別院に修行大師象寄進
  「立派な修行大師の像が当山に奉納されました」―。そんな文面のエアーメールが先月(2009年11月)、協会事務局に届いた。米・ロサンゼルスに住む高野山米国別院の前主監・宮田大詮師(大洲市出身)からだった。
  宮田師は今夏、南加県人会員らによる四国巡礼の先達役として愛媛に帰ってこられた。その時同行した信者夫婦が「4度目の巡礼を果たし、無事結願した」として修行大師像を別院に寄進したという。
  手紙には開眼供養の写真も添えられていた。大師像を前にした記念写真で、そこには県人会元会長の菊池安雄さん(伊方町出身)ら懐かしい顔が並んでいた。
  宮田師は先達役を11回にわたって引き受け大勢の信者を四国に送り込んでいる。
先進国に近づくブラジルの人口構成
実業のブラジル
  ブラジルで発行する邦字の経済誌「実業のブラジル」(6月号)で目を引くのは、ブラジルの人口構成が先 進国型に近づいていることを報告する記事である。ブラジルの人口構成の変化は中産階級を増加させてお り、このことがルーラ政権に対する高い支持率の背景要因となっていると指摘している。
  まず挙げているのが労働力人口の変化。総人口に占める15歳から65歳までの労働力人口の比率は、1965年の 52.8%から2010年には67.6%となり、人口の半分から3分の2に増加する。労働市場は着実に拡大している というわけだ。
  次に「顕著な変化」とするのが、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推定される子供の数)の減 少。1960年~1965年は6.15人だったが、2005年~2010年には1.90人に激減する。これは 日本の1.35~1.37人や、西欧の比率と比べるとまだまだ高い。しかし、「2人以下という数字は人口の 減少を意味し、ブラジルも先進国並みになってきた」と指摘している。少子化は、女性の職場進出と給与所 得の増加をもたらす結果、「中産階級の増加」に大きく寄与している。
  「中産階級の増加」については、すでに90年代から始まっていたが、高率インフレや経済危機で、その効 果は見えてこなかった。しかし、ここにきてインフレ沈静化が定着したため、ようやく「中産階級の増加」 が表面化してきた、とみる。
  ルーラ政権は家族手当をはじめとする貧困層対策で支持を得ているし、政権もそのように自己宣伝をしている。しかし、70%という高い支持率の源泉は政治的な理由だけではない。国民が豊かになったのは、人口構成の変化と、そこから派生する「中産階級の増加」によるところが大きい。このことは多くのエコノミストや社会学者が指摘するところという。
(実業のブラジル 2009年6月号より)
アマゾンが異常な増水
 アマゾン河が異常な増水をしている-。通常、アマゾンの増水は12月から5月末にかけての雨季だが、 今年の増水は尋常ではない。降雨によるものでなくアンデスの雪解けが原因ではないか、と疑われるから余計 に心配する。事実、6月末に入ってからも水位は29.70メートル台となり、1953年の記録29.69メートルを連日突破している。
  アマゾナス州全域で浸水被害が続出。伝染病の脅威に加え、農作物や家畜への被害が出たほか、ワニやヘビが 家屋に入り込む被害が報告され、州知事は非常事態を宣言。連邦政府に援助を要請するにいたった。
(月刊誌「ブラジルの実業・マナウス便り」2009年4~7月号)
ブラジル情報ファイル
ブラジル経済はなぜ破産しないか ~現地の邦字誌から~
ブラジル国旗
 邦字による月刊経済誌「実業のブラジル」(4月号)が、ブラジル経済をめぐる特集をしている。「ブラジル楽観論の根拠は何か」と題するコラムは、現地の有力週刊誌「ヴェージャ誌」を紹介しながら論考を進める。
  楽観論の背景としてヴェージャ誌が掲げるのは次のような要因。
  (1)危機の後も2000億ドルの外貨準備高を維持(2)リスクが少なく、豊富な貸倒引当金のある健全な銀行(3)融資バブルがなく、実質成長の潜在力がある不動産部門(4)購買力があり、人口比で成長している強力な国内市場(5)輸入石油への依存から脱出し、世界で最もクリーンなエネルギー源(6)民主主義が国家資産として確立した政治的安定(7)世界最大の食料輸出国で、常に大量輸出が保証される―など。
  コラムでは、これら要因に逐条的解説を加える。「ブラジルの今年の輸入は1460億ドルと予想されており、2000億ドルの外貨準備高は、輸出がなくても1年間は輸入できることを意味している」とし、ブラジルがドル債権国になったことも楽観論の大きな根拠と位置づける。
  金融機関の健全性についても条件付きながら太鼓判をおす。昨年度、ブラジルでは27金融機関のうち減収となったのは1行に過ぎないとし、その背景として、ブラジル中銀の厳しい規制を挙げている。ただ、これら金融機関の「健全性」を手放しで賞賛しているわけではない。
  「ブラジルは幸運にも国際的な金融取引に出遅れた。不動産ブームを経験する段階に至ってない」とする一方、興味を引くのは、ブラジルの司法の問題をからめた次のような解説。「ブラジルの裁判は判決までが長い。それだけでなく、弱い者すなわち借家人に有利な判決が出されることが多い。悪質な借家人は何年も居座る。このため、銀行も不動産担保の貸し出しをするようなことがない」。
  金融機関の健全性は、むしろ「経済システムの構造的欠陥の裏返し」と論じ、高金利や、家計と企業への信用供与の低さ、金融取引への過剰な課税などは解決されるべき課題としている。
(事務局)
ライブラリー
「喫茶店文化」百年…その源流をたどる
カフエーパウリスタ物語(長谷川泰三著)
◆日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた=カフエーパウリスタ物語(長谷川 泰三著) パウリスタはサンパウロっ子を意味する。「ブラジル移民の父」とは、第1回移民船の団長・水野龍(高知県人)にほかならない。水野には移民事業と並び、日本における珈琲文化の普及という大きな功績があった。本書では水野のもうひとつの業績をたどるとともに、珈琲がもたらした日本文化・風俗への計り知れない影響を豊富な史料をもとに追っている。
  著者は、水野が創業した喫茶店「カフエーパウリスタ」の流れを組む珈琲会社の元役員である。「カフエーパウリスタ」に関して人々の根強い関心があることに驚き、八方手を尽くして調査を重ねた結果、日本人ブラジル移民100周年の昨年上梓することができた。  
  明治41年に水野が手がけた移民事業はすぐ窮地に陥った。サンパウロ州政府はその救済のため珈琲豆の大量無償供与を申し出た。「珈琲を日本で売ることがブラジルの負託にこたえ移民の労苦に報いることになる」。水野の強い信念は日本初の珈琲店となり実を結ぶ。そして、店舗数を全国にふやしていく。しかし、第一次世界大戦後の不況をピークに客足は落ちはじめ、大正9年には赤字の店が出はじめる。同12年には関東大震災、さらにサンパウロ州政府による無償提供の期限切れという二大ダメージに見舞われ、パウリスタは店舗を次々手離していく。 水野は一家あげてブラジルに移住。そしてパラナ州に理想郷「コロニア・アルボラーダ」(希望の曙)の建設を計画。資金調達で来日したが、太平洋戦争勃発で家族と離れて日本で暮らすこと10年。昭和25年やっと義捐金を得て帰伯が叶う。ブラジルの新聞は「父帰る」と大々的に報じた。帰国後1年、92歳の生涯を閉じる。
  本書ではパウリスタに憩い、思索にふけった人々の姿も余すところなく紹介している。作家、詩人、画家、社会運動の思想家、女性解放の活動家、さらには大学生たち…。「鬼の如く黒く、恋の如く甘く、地獄の如く熱きコーヒー」のキャッチフレーズに心を躍らせた群像である。
  いまや日本の珈琲消費量はアメリカ、ドイツについで世界第3位。ブラジル珈琲を軸とした喫茶文化が私たちの生活に大きな足跡を残していることをあらためて認識させてくれる好著である。(文園社、254ページ、1700円)
=県海外協会常任相談役・山田久=
 

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